2012年4月6日金曜日

「ターゲットは自分」は正しいのか?

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一昨日のOpen Network Labのイベントのレポートを書かせて頂きましたが、
後半のElle Lunaさんの話を聞いて、思ったことが1つあったので
記事を書かせて頂きます。

Lunaさんのお話

Lunaさんのお話は
「新規事業を立ち上げる際にデザイナーのように考える方法」
というテーマでした。

プレゼンでは5つのTipsを説明してくださったのですが、
その中の1つに
「多くの時間を、スタートアップをやってない人と語り合おう」
というものがありました。

Lunaさん曰く、

起業家は束になってコミュニケーションをして集まってしまうために、
シリコンバレーでも数多くの「起業家向けアプリ」が作られている
という状態だそうです。

そして、この「スタートアップ以外の人と語り合った例」として
「Pinterest」が挙げられていました。

「Pinterest」のメインターゲットユーザーは誰か?
それは「お母さん」です。

そういった女性たちが、
子供の写真や家族の写真をアップしている。
そんなサービスになっているそうです。

実際に「お母さん増加率」が1100%増というデータもあるそうです。
(お母さんをどうやって割り出しているのか謎ですがw)

起業家たちが誰も見ていなかった「お母さん」というターゲットを
狙ったために生まれたサービスがPinterestだ、というお話でした。

「ターゲットは自分」は正しいのか?


よく、サービスの成功例のTipsとして
「自分が面白いと思ったものじゃないと流行らない」
「ターゲットは自分に設定したほうが良い」
という話があります。

でも、「Pinterest」の成功例を見ると、
そうとも言えないのではという疑問が湧いてきます。

今話題の「LINE」もそういったところがあるのでは無いでしょうか。

あのサービスは決して「起業家のためのサービス」ではありません。
「マス向け」のサービスですし、
「ウェブに詳しくない人」がメインターゲットです。

「ターゲットは自分」にすると、結局あまり広がらないということも
あるのではないでしょうか。

「破壊的イノベーション」か、「持続的イノベーション」か


「ターゲットは自分」という攻め方が正しくなるのは
「破壊的イノベーションを起こすとき」じゃないかと僕は思っています。

最たる例は、やはり「スティーブ・ジョブス」でしょう。
スティーブ・ジョブスのターゲットは「自分」だったということが
感じられます。

ソニーの開発十八条の第二条は
「客の目線ではなく自分の目線でモノをつくれ」
というものです。

Facebookも元々は、ザッカーバーグが「学生=自分」のために
作ったものです。

上記の例から見ても
「破壊的イノベーション」を起こすときには
「ターゲットは自分」にすべきであるように思えます。

他の人を見てしまうと「ニーズ」が目立ってしまい、
その「ニーズ」の枠から抜け出せない
=破壊的イノベーションが起こしづらくなる
ということなのかもしません。

逆に、「持続的イノベーション」
ターゲットは自分ではないほうが良いように思います。

Pinterestも、SNSor写真共有の持続的イノベーション、
LINEも、メッセージツールの持続的イノベーション、
と見ることができます。

同様のサービスの機能を向上させる「持続的イノベーション」は
徹底的にターゲット顧客を分析し、インサイトを明確にしてから
サービスを作っているように思えます。
(「LINE」も人間関係を分析した方がサービスコンセプトを作っています。

サービスを作る時に、
「破壊的イノベーション」か
「持続的イノベーション」かによって、
考え方を変える必要があるのかもしれないな、
と思いました。

※是非ご意見を頂ければ幸いです!


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