2011年8月22日月曜日

デザイナー&エンジニアのための#creative2 vol.1 まとめのまとめ

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■まとめ

・13:10:基調講演 リブセンス取締役共同創業者 桂氏「スタートアップメンバーの重要性、良いCTO/CTO候補の見分け方」

・13:40:LT① Sassor石橋氏「モノづくりベンチャーのサービスデザインについて」

・14:00:LT② Frenzee村田氏「デザイナーとエンジニアによる2weeksサイクルでのプロダクト開発について」

・14:20:LT③ UPSTAIRS Kanzaki氏「デザイナー学生のプラットフォームUPSTAIRSについて」

・14:30:LT④ CABeat羽片氏「スマホアプリのサービスデザイン・プロジェクトマネジメントについて」

・14:50:LT⑤ Konokawa 氏「WEBサービスのUI,UXデザインについて」

・15:30:LT⑦Kanematsu氏「ソーシャルリクルーティングのUIデザインについて」

・15:50:LT⑧山崎氏「学生がGOOD FIND(http://www.goodfind.jp/)を作ってから、共同購入サービスを立ち上げ、フリーランスのウェブプログラマに至るまで」

【8/8】 スタートアップとフリーランス #creative2

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#creative2
山崎氏
「学生がGOOD FIND(http://www.goodfind.jp/)を作ってから、共同購入サービスを立ち上げ、フリーランスのウェブプログラマに至るまで」

(講演のまとめ)
▼山崎さんの経歴
大規模並列計算コンピューティングを大学院では研究
GOODFINDリリース
SHAREcotoもリリース
今年の一月から個人事業主

▼スローガン時代に学んだこと
スローガンという会社は、安定志向やブランド志向といった軟弱なマインドを変え、新規雇用において、優秀な人ほど新しい者を作るように挑戦してく。
伊藤さんという方が熱かった。
ウェブの知識ゼロからスタートしてGOODFIND作った。
先輩社員がいないことで自由にできたが、学べる相手が居ないので、交流して色々学べた。

▼シェアことという経験
デザイナと2人でシステムを開発していた。
エンジニア/デザイナ等の作り手の比率は大事。受託になってしまう。
互いに補完し、一緒に走っている感を持つことが重要。
責任とリーダー湿布は分散させない 責任=リーダーシップ
一人の人間がリーダーシップ発揮するということはなく、責任が分散していた。これは良くない。 一人の誰かが、引っ張っていくことを設定する。
サービスリリースからが勝負

▼個人事業での経験
オフィスを間借りしてスタートした。
一人で事業をやっていない人は、相当リア充だということを認識すべき。
人が多いという状況はうらやましい。人恋しくなる。
根本的にチームプレーが好きなので…。
自由度が高いが、選択する力も必要になる。
個人でなんとかなるという自信。
起業家の方やVCの方のソーシャルグラフに入る重要性。
ソーシャル系サービスの偉大さ
Twitterから経営者に会うことがよくある。So
リアルとバーチャルの逆転化現象
経験あるエンジニアと仲良くなって一緒に仕事をするべき。

【私の感想】

スタートアップとフリーランスは似て非なるものだと思いますが、
まさにそのことを体現したかのようなお話だったので、非常に興味深かったです。
スタートアップなりの産みの苦しみ、課題と、
フリーランスとしての仕事の仕方がどのようなものなのかを垣間見ることができました。

「リーダーが居た方が良い」という言葉は、最近とてもよく感じます。
例えばSoftbankの孫さんは会社の規模が大きくなっても、「リーダー」として多大な決定権を持っています。
最近話題のWondershakeの鈴木さんも、同様に強いビジョンを持つ「リーダー」と言えると思います。
勿論一人で考えて一人で決めるということではありません。
ビジョンを体現して、常にどうやってビジョンを実現していくかを考える人が「リーダー」であるように感じます。

そういった「リーダー」は今後重要になるのだろうなと重います。

【7/8】 細部に神は宿る #creative2

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#creative2
A7ice氏
「ソーシャルリクルーティングのUIデザインについて」

(講演のまとめ)

▼ 自己紹介
人と関わりながらデザインをすることが好き、作ることより考えることが好き。
大学卒業してインテリア設計事務所に入社。空間設計やウェブデザインもやった。
独立したいと思い、退社してソーシャルリクルーティングの起業に入社。
現在「JOBRING」のデザインを行っている。

▼ デザインの個性について
デザインは以下の3つが大事。
・ ロゴマーク
・ 写真
・ 色彩

▼ 今までデザインしたものについて
STUDY HOUSEは大人も子供も高め合っていける場所というコンセプトを元にロゴを作成。
YouthHandsは地震からの復興を手と手を取り合ってやっていき、明日を夢見る…というところから作成。
やまき法務事務所は、所長の方の人柄をそのままロゴにした。キャラクターを使用。
JOBRINGはかなりシンプルさにこだわったが、小さいロゴなどにこだわった。ここで世界感を出している。
→「オリジナリティ」が大事。

【私の感想】

「THE デザイナー」な方でした。
かなり感性が先行しているイメージを持ちましたが、
ただ「細かい所で世界感が出るんだ」という言葉には打ち抜かれました。
確かに小さいロゴや細かい所で世界感は出てくると思います。

羽片さんの「ルールを作る」というところにも通じますが、
こういった細かい所に「神は宿る」のだと改めて感じることができました。

【6/8】 UI・UXデザインの実例 #creative2

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#creative2
Konokawa 氏
「WEBサービスのUI,UXデザインについて」

(講演のまとめ)

▼ Konokawaさんの経歴
2011年にNHNに入社。
UIデザイナーとしてサイトの改善等を実施。

▼ 実例:アバターサイト
デフォルトでサイトに20個しかアバターが表示されない
ログインパネルが通常のハンゲームのサイトと異なる
カテゴリ検索しかできない
→修正し現在のサイトに。
自分は調査と評価を行う。

▼ UIの重要性
ツイッターの状況を見ても、スマフォの利用が今後増えていくので
スマフォやタッチパネル端末の意識がウェブサイトでも必要では?
またお客様の利用シーンの把握が重要で、
「これ、どう使うの?」と思わせてはいけない。

【私の感想】

実際にUIをどう作っていくのかということがよくわかる講演でした。
調査はインタビューなのですね。インタビューという手法もうまくならないとですね…。
恐らくインタビューの方法をある程度確立すると、
リーンスタートアップにおいてのUI・UXのデザインも安定して
質の高いものを提供できるのでは?と感じました。

【5/8】 UIとUXは(やっぱり)大事 #creative2

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#creative2
CABeat羽片氏
「スマホアプリのサービスデザイン・プロジェクトマネジメントについて」

(講演まとめ)

CA Beatについて
最初は受託開発のtoB向けだったが、自分たちで作る方が早く売り上げがたつと思い、toC向けアプリ制作起業に。メンバーは15人。

▼ デザイナーが意識していること
・スマートフォンの理解
タッチパネルに寄る直感的な操作、画面サイズの制約を理解していないとUI・UXで戦うことは厳しい。
なぜ気持ちよいのかということを言語かする必要がある。
・ グローバルデザインの理解
iOSが下ナビゲーションで、Androidが上ナビゲーションなのは、Androidは機体にボタンがついているから。
こういったナビゲーションやボタンのサイズ感などを気をつけるべき。
・ 情報設計能力
情報の優先順位をつけ、ボタンに「重み」をつける。
またアプリを体験してもらってフィードバックをもらう必要がある。

▼ アドバイス
たくさんのアプリに触れよう
アプリ内でルールを作ろう(統一感を出すため)
多くの人に見てもらおう
おすすめツール「JIRA」

【私の感想】

やっぱりUI・UXは大事だなと感じます。
アプリを作るとなった場合特に大事なのではないでしょうか。
狭い画面の中で、ある意味複雑な機能を単純に見せなければ行けませんし、
ユーザーにサービス側が思うような体験をさせなければなりません。
そのときにUI・UXという概念を知っていると知らないとでは、画面設計が大きく変わってくるでしょう。

自分も一つiPhoneアプリで作りたいものがありまして、
設計とかもしながら勉強しているのですが、UIが本当に難しい。
ただ、リーンスタートアップの話もありましたが、
「検証しながらすすめる」ということを実践してみようと考えておりまして
UI・UXは痛烈に意識しながら作っていこうと思います。

【4/8】 デザインは総合力だ #creative2

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#creative2
UPSTAIRS Kanzaki氏
「デザイナー学生のプラットフォームUPSTAIRSについて」

(講演のまとめ)

▼ 美大の学生について
美大の学生を見ていて、もっとハングリーな人がいても良いのではと感じる。
一流のデザイナーは、提案力や営業力も兼ね備えている。
なので「UPSTAIRS」

UPSTAIRS
学生クリエイターのための社会への登り階段。
作品を投稿するサイト。SNSの機能もついている。
現在プロダクト系営業部、総合イベント系事業部、ウェブ系事業部、総合デザイン系事業部、ソーシャルアプリ開発を行っている。

【私の感想】

優秀なデザイナーは提案力や営業力も兼ね備えている
という部分には大変共感できました。
コンテキストの中で見いだされる「アーティスト」タイプのデザイナーで無い限り
自分で自分のデザインを営業して提案していかなければ、本当に良い「デザイナー」にはなれないのでは、と感じます。

また事業のビジョンが明確なのも好感が持てました。
個人的にもアーティストやクリエイターを助けられるようなプラットフォームが作りたいという思いがあるので
一度Kanzakiさんとはお話できればな…と感じております。

【3/8】 リーンスタートアップとは? #creative2

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#creative2
Frenzee村田氏
「デザイナーとエンジニアによる2weeksサイクルでのプロダクト開発について」

(講演まとめ)

▼ 村田さんの経歴
SFCにてメディアアートを作成。
プロダクトを10個作り、5個はそのまま出せて、5個は手直しをすればリリース可能なレベルまで作った。
リーンスタートアップの手法を使い、「frenzee」をリリース。
収益源仮説のうち2つは実証された。また過去作ったプロダクトをバイアウトし、
2,3年起業活動ができる資金は調達したので、秋からはサンフランシスコに拠点を移していく。

リーンスタートアップとは
アイデアを纏めて、コードに落として、データで検証するというフローを早くまわす。
リーンスタートアップ自体は細かい検証。
2週間でプロダクトを作る所までやったほうが良い。
2週間で作った後に検証時に後戻りしても、不良在庫のコードを減らすことができる。またリリース時にモチベーションを再度あげることもできる。
また長期間実施すると、チームのモチベーションが持たない。
基本機能であればすぐ作れるので、2週間でもリリースは可能。
frenzeeも6月の頭に企画を立て、13日にリリースした。

▼2週間の流れ
最初にゴールを徹底的に共有する。
細かい仕様は各自がそれぞれ考える
自分で100点と思える者を各自が出す
結合&バグフィックス
→プロダクトにする。

【私の感想】

今回の講演で最も個人的に刺さった講演でした。
というのも、今「アントレプレナーの教科書」という本を読んでいます。
この本はまさに「リーンスタートアップ」を説明した本で、
今週の土曜日に行われるワークショップの向けて勉強しているところでした。

スタートアップはお金も時間もないですから、
短期集中・無駄の無くしてプロダクトを作らなければ行けません。
その時にこの手法は非常に有用ではないかと感じております。

質問で「顧客開発はどのように行っているのか」という質問をしたのですが、
「アルゴリズム」という回答には驚きました。
確かに営業やマーケティングにコストをあまりかけられないことを考えると、
非常に合理的な方法であると思います。
もっとこの部分のお話を聞きたいと感じました。

【2/8】T型人間になることが重要 #creative2

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#creative2
Sassor石橋氏
「モノづくりベンチャーのサービスデザインについて」


(講演まとめ)
▼ 石橋さんについて
最初は武蔵野美術大学、次にSFC(院)、途中で辞めて現在の会社。
デザイナー→エンジニアリング→スタートアップという経歴。
デザイナー:バックミンスター・フラーやヴィクター・パパネック
エンジニアリング:マークワイザーや石井裕やIDEOやウェブスタートアップ
→「革新的でトータルな経験のデザイン」

Sassorについて
コンセントにプラグを差し込むと、消費電力をリアルタイムにはかれるようになる。
スマフォアプリやウェブ上で使用電力を見ることができ、リモートで電源を落とすこともできる。

▼ チームコラボレーションについて
今2人でやっているが、デザイナーもエンジニアも分かれていない。
デザイン、エンジニアリング、フィールドワーク、プロトタイピングも全てできるような体制になっている。
T型人間になることが重要。

【私の感想】

「IDEO」の「発想する会社」という本は本当に名著だと思います。
長くない本なのですが、読むとデザインの意味がわかるような気がします。
(まぁ、僕はデザイナーではないのですがw)

「サービスデザイン」という、
UXの概念に近い考えを起業のコンセプトに掲げてらっしゃったのが大変興味深かったです。

T型人間・・・という話がありましたが、
今後は専門家よりも「広く浅い知識と、一点深い知識を持つ人材が求められるのだろうな
と感じられました。
例えばエンジニアリングを知らないデザイナーと、
デザインを知らないエンジニアがチームを組んだ場合、
恐らくそのチームに信頼関係は生まれないのではないでしょうか。

私も日々エンジニアの方やデザイナーの方とやり取りすることが多いですが、
各々の業務内容等を無視した発言や提案をしないように、
知識をつけつつ日々努力をしております。

ただあまりにも気にしすぎるとつまらないプロダクトになってしまうので、
そこもバランスでが必要だとは思いますが。

また個人的な話ですが、
SFC的要素を各所から感じられ
改めてSFCに居られて良かったなぁと感じました。

【1/8】「何をするか」ではなく「誰とするか」#creative2

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#creative2
基調講演
リブセンス取締役共同創業者
桂氏「スタートアップメンバーの重要性、良いCTO/CTO候補の見分け方」

(講演まとめ)
▼リブセンス
大学生で立ち上げた企業だが、起業して以来の成長率や売り上げの高さから注目されている。事業自体はアルバイト情報のサイトなど。前期は7億円を達成。今期6期目。来期は10億の大台を目指している。

▼ スタートアップメンバーについて
一人でやるより、複数人でやった方が良い。
スタートアップメンバーが会社の器を決める
「何をするか」より「誰とするか」が大事だ。

▼ CTOの選び方
・ Version1を書ける
・ プログラミングがかける
ありがとうがうれしい<デザインパターンがはまった時が嬉しい
・ 話が通じる
それぞれの言語のメリットデメリットを理解しやすい形で言える/わかる


【私の感想】
私の中で非常に気になった部分は
『「何をするか」ではなく「誰とするか」が、スタートアップに関しては大事だ』
という発言です。

アイデア先行でスタートアップメンバーを集めると、
「メンバー」が手段になってしまう。
メンバーは会社の器を決める存在ですし、
「命を預ける」こともあるので、
メンバーから決めた方が良いのでは?
という話です。

これは言葉の問題なのかもしれませんが、この部分に半分同意です。
確かに具体的な「アイデア」が先行してしまうと、
そのアイデアが実現してしまった瞬間に
その「メンバー」の目的が達成されてしまいます。

しかしスタートアップはアイデアが実現してからがスタートではないでしょうか。
そのアイデアをスケールしていく際にモチベーションが保てなくなってしまうので、
アイデア先行は良くないと感じます。

ただ、同じ「ビジョン」を元に集まる必要はあるのではないでしょうか。
「ビジョン」というのは、「解決したい課題」と言い換えられると思うのですが、
この部分を強く共有したメンバーでないと、チームとしてのまとまりは生まれないような気がします。

2011年8月14日日曜日

何をやるか<どうやるか

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小澤さんの講演に絡めてもうひとつ。

もう一つ印象的だったことは
「何をやるかではなく、『どうやるか』を考えろ」
という言葉です。

私もこのブログや日々の活動で
「ビジョン」つまり「何をやるか」ということばかり
考えています。

しかし小澤さんは
「起業では『どうやるか』が大事なんだ」
ということをおっしゃっていました。

実際に3日間のビジネスモデルコンテストを
学生を対象に実施した際
2日間は「何をやるか」が議論されていた
ということがあったそうです。

確かに、
「何をやるか」よりも
「どうやるか」ということのほう大事かもしれません。

町の古本屋さんも、BOOKOFFも
「何をやるか」は同じですが
「どうやるか」が違うだけで、その規模は大きく変わっています。

何をやるか=どの問題を解くか ということで差別化することってほとんどなくて、
「どうやるか」で差別化することが大事なのでしょうね。

最近自分がよく考える「デザイン」という考え方も
この「どうやるか」ということの一つの方法だと思います。

いかに、心から解きたい「課題」を見つけ
その課題をちゃんと解ける「方法」を考えだすか
ということの勝負なのだな…と改めて思いました。

感想ちっくですが、以上が小澤さんの講演の中での気づきでした。

「ネットでは簡単に起業できる」のワナ

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金曜日に小澤隆生さんの起業セミナーに参加いたしました。

そこでお話しされていた「難易度の設定」ということが
非常に印象的だったので、ブログにしました。

小澤さんは話を聞いた限りでは非常に
「マーケティング」視点のお話が多かったように思います。

最近のITのスタートアップはどちらかというと
技術やテクノロジー視点が多かったので、
逆に新鮮な気持ちで聞くことができました。

その中で小澤さんが「難易度の設定」ということをおっしゃっていました。
自分が今から興そうとしている事業はどれくらい難しいのか?
ということです。

実際講演の中で出た例なのですが
「クリニック(町のお医者さん)を起業するのは簡単か?難しいか?」
皆様もお考えください。









小澤さんの答えは
「簡単」
とのことでした。

世の中でクリニックをやっている人の大半が
良い家に住んで、良い車に乗って、良い家族が居ると。
しかも「○○○クリニック」というのは世の中にたくさんいる。

それに比べて、ネットのオークションサイトでうまくいっているのは…
1つしかありません。
(と小澤さんがおっしゃっていましたw 一応もっとあるような気もしますが…)

もう一つ例に出していたのが「クリーニング屋さん」
これも小澤さんは「簡単」だとおっしゃっていました。
確かに自分の家の半径500m以内だけで5軒ぐらいクリーニング屋さんがあり、

最近、学生でもIT系の起業をする人が増え、
またオープンソースや無料のAPIやクラウドサーバーの勃興により
「起業をする」ということのハードルがどんどん下がっています。

しかし「起業をする」難易度が下がったからといって
「うまく行く」難易度までが下がったように錯覚しているのではないか?
と、スタートアップ界隈の人を見て思うことがあります。

小澤さんはこうもおっしゃっていました。
「起業なんて99.9%失敗します」
この言葉は真理だと思います。

ITの良さというのは
「何度失敗しても、またやり直すハードルが下がった」
というところが良さだと思う訳です。

なのでIT業界で起業し、成功する一番の近道は
「失敗することだ」
という、まぁ良く言われていることですが
改めてそう実感した講演でした。

2011年8月9日火曜日

FacebookとTwitterとGoogle+のやろうとしてることは同じ(かも)

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最近の気づきの一つなのでメモ。

Facebook、Twitter、Google+という3つのソーシャルメディアが
やろうとしていることは同じである
ということがやっとわかりましたw

そのやろうとしていることとは
「受信のストレスを減らすこと」
ということです。

【ソーシャルメディアとは?】

まず元々のソーシャルメディアの定義ですが
自分の中では
「参加者がお互いに情報発信・受信をし合うウェブ上のプラットフォーム」
と定義しています。

【課題は「情報受信のストレス軽減」】

そういったソーシャルメディアにおいては
常に情報の発信と受信が行われます。

でも人間、そんなに色んな情報を処理できるほど頭良くないです。
「ゴミ」の情報はなるべく排除して、
自分に取って「きれいな」情報を受信したいわけです。

つまりこの
「いかに自分が発信する情報を、受信者にストレスなく受け入れてもらうか」
ということは、ソーシャルメディアの永遠の課題だと私は考えています。
またどのソーシャルメディアも、この課題を解決しようとしています。
これが「同じことをしようとしている」という言葉の中身です。

この問題を解決するアプローチが『「ソーシャルグラフ」のあり方』であり。
これがそれぞれのソーシャルメディアで違うのです。
(世界観・・・と言い換えても過言ではないかもしれません)

ちなみにこの問題は、
それぞれのメディアの本来解決したい問題
ではなく
それぞれのメディアが本来解決したい問題を解決する際に副次的に発生する問題
です。

【Facebook】

Facebookは
「自分の発した情報の受信を許可させる」ことで、
この問題を解決しようとしています。

Facebookは
「お互いが発信者であり受信者である」
ので、友達申請をしたり申請を許可した時点で
「相手の発する情報の受信をお互いに許可した」ことになるわけです。

つまり「許可したんだから、ストレスはないってことだよね?」
ということになるわけです。

ただこれだけだと
「え、この人の発信する情報、まじうぜぇ」
となりやすいです。
実際にその人がどのような情報をどれくらいの頻度で発信するかは
友達にならないとわからなかったりするからです。

これを解決するために「エッジランク」という仕組み、
つまりアルゴリズムを利用しているのではないでしょうか。

【Twitter】

Twitterは
「情報受信者に受信したい情報発信者を選ばせる」ことで、
この問題を解決しようとしています。

これは
「受信者が選んだ発信者の情報なんだから、ストレス無いよね?」
というわけです。

またある程度その人のタイムラインを見れば
どれくらいの頻度でどういう内容をつぶやいているかが分かるので
エッジランクのようなものがなくても
受信のストレスは十分軽減される、というわけです。

ただ、Twitterは気軽にフォローできてしまうこともあり
「このひと、ここまで頻繁に発信する人だったの?うぜぇ」
ということも起こりえます。

一回フォローするとリムーブするのが面倒くさかったりして
どんどんストレスがたまってしまう…ということに
なりがちです。

【Google+】

Google+は少し説明が必要かもしれませんが
最初にひとつ大事なことを言います。

Google+の他ソーシャルメディアとの違いを一言で言えば
Google+は発信者が受信者を選べる
という部分が大きく異なります。

Google+には「サークル」という概念があります。
これは、自分の知り合いを、自分が作った「サークル」に入れることで
つながっていく、というものです。
要するに自分のつながりを「分類」するということです。

例えば私が「大学時代の友達」という「サークル」があったとすると、
その中に大学時代の友達を入れていくわけです。
実際にGoogle+のウェブサイト上ではそういった円が用意されていて
その中に人をドラッグ&ドロップしていくという動作を行います。

これはサークルに入れられる人の許可は必要なく、
自分勝手にサークルに人を入れられます。

この「サークル」によって、Google+は新しい送信・受信の形を作りました。
それは
「発信者が受信者を選ぶことができる」ということです。

Google+は何かを発信する際に、常に
「どのサークルに向けて発信するか」を選ぶことができます。
もしその中で特定のサークルにしか発信しない…ということになると
他のサークルの人はその情報を見ることができません。

そもそも、情報発信者のサークル内に自分が入っていないと、
受信者がその人の情報を見たくても見ることができなくなります。

今Google+の利用者は「一般公開」で発信している人が多いので
このことを実感することはありませんが、
このサークルの考え方が浸透したときには
「発信者の受信者選定」が行われることになります。

これがどのように受信者のストレスを減らすことになるのでしょうか?

まず「自分が発信者をサークル内に入れる」ことで
発信者の発言がフィード上に流れることになります。

これはツイッターと同じことなので、
「自分の選んだ発信者の情報なんからストレスないよね?」
というわけです。

ここで「発信者の受信者選別」が行われると…
「発信者の思いやり」によって「受信ストレス」が軽減される訳です。

たとえば大学時代の人にしか分からないことを共有しようとしたときに
「あ、会社のサークルに入っている人にはシェアしないでおこう」
となるわけです。

この「思いやり」によって自分に取っては必要ない情報が選定され
きれいな情報のみがフィード上で表示されるようになるわけです。

【受信と戦う】

ソーシャルメディアはこの「受信のストレスとの戦い」なのだなと思います。
そしてGoogle+は今順調に会員数を増やしていますが
継続的に使われるためには
1.「サークル」の使い方をユーザーに教育する
2.「サークル」を直感的に利用しやすくする「UI」にする

ということが一つのキーになるように思います。
(まぁ、後者であるべきだとは思いますが)

そしてGoogle+はそういう意味では
「思いやりのメディア」になるのかもしれませんね。

【各ソーシャルメディアの端的なまとめ】

命題「受信者のストレスをなくすこと」

■Facebook
  1. 解決法は発信者を「許可する」+アルゴリズム
  2. 受信者=友達
  3. つながっていたら受信ができる
■Twitter
  1. 解決法は発信者を「選ぶ」
  2. 受信者=フォロワー
  3. フォローしてたら受信できる(ブロックされなければ)
■Google+
  1. 解決法は発信者を「選ぶ」+発信者の思いやり
  2. 受信者=サークルに入れている人(&サークルに自分を入れている人)
  3. サークルに入れてもらっていないと受信できない